海鳴りが聞こえる

展開ステージ

シーン5

 

GM     展開ステージは、バーディングさんから。バーディングさんは、焚き火のパチパチいう音で目が覚める。そして、目を開けると、焚き火の向こうには、グローニャウェイルが座っているのでありました。

バーディング チッ!先に目を覚ましたかったのに(笑)

GM     ちょっと疲れた顔のグローニャが「目が覚めたか?」と言う。

バーディング 「あぁ」

GM     「まだボーッとしているのか?」

バーディング 「イヤ、そんなことはねぇさ。ボーっとしてたら、お前の顔がよく見えねぇだろうが。ん?」

GM     「また、その減らず口か。しかし、無事で良かった」

バーディング 「なんだ?心配してくれているのか?」(笑)

GM     「…別に、心配などしていないがな」

バーディング 「ヤレヤレ、ツレないね〜」(笑)

GM     「そんなものでつれてたまるかっ!」

キリ     …なんか違う(笑)

 

バーディング 「で、ここはどの辺りだ?」

GM     「ここは、ハイゲルング・ワルフィスフの島だ」と言われる。とりあえず、事情通で振ってみて。

バーディング (コロコロ)3で成功。

GM     なら、そういう名前のさまよえる浮島みたいなものがあるという噂を聞いたことがあるよ。

バーディング 「ほ〜う。ここが?なんでそんなことが分かるんだ?」

GM     「それは、私がこの島の出身だからだ。そういえば、お前には仲間がいたな?」

バーディング 「まぁな。他の奴等はどうした?」

GM     「一応探したが見つからなかった。まあ、この島に流れ着いた可能性もある。この島には、村が一つあるのでとりあえず、そこに行こうと思うのだが、お前も来るか?」

バーディング 「あぁ。だが、部下の事は放っておいてもいいのか?そりゃ〜、俺様一筋になってくれるのはありがたいが」(笑)

GM     「だーれがっ!部下達は皆、海の男だ。泳ぎには自信がある」

キリ     側にいた娘は?(笑)

GM     「側にいた娘も、大丈夫だろう」(笑)

エリーネ   …とりあえず出よっかな。

キリ     あぁ、側にいた娘が出ようとしてる(笑)

エリーネ   (コロコロ)成功。「ひど〜い!」(笑)

GM     「おぉ!エリーネ。やはり無事だったか」

エリーネ   「少しは心配してくれたっていいじゃ〜ん」

GM     「いや、お前は昔から泳ぎが得意だったしな」

エリーネ   「フーンだっ!お邪魔して悪かったさ〜」

バーディング 「ホラホラ、いじけちゃいけねぇよ」

エリーネ   「ん?おじちゃんだ〜れ?」

バーディング 「んんっ?そりゃ〜まぁグローニャの…、なぁ?」

エリーネ   「いい人?」

GM     「いや、なんて言うか…」

バーディング (キッパリと)「恋人だ」

GM     (無視して)「…何故か腐れ縁だ」

エリーネ   「テレちゃって〜。グローニャちゃんテレ屋さんだから」(笑)

GM     「うっさーい!」

バーディング 「んで、お嬢ちゃんは?」

エリーネ   「エリーネちゃん、16歳ですっ♪」

バーディング 「俺様は、バーディングだ。よろしくな」

エリーネ   「よろしく〜」

GM     「エリーネ。気を付けろよ。こいつは女と見れば誰にでも手を出す、見境のない男だ」

バーディング …ってやってる間に、手の甲にキスとかしとくんでしょ?(笑)

エリーネ   「こんなことされたの初めて〜。グローニャちゃんもされたんでしょ?それともしたの?」(笑)

GM     (吐き捨てるように)「どうだったかな」

エリーネ   「テレちゃってね〜。かわいー♪」(笑)

GM     「さあ、もう行くぞっ!充分に休んだだろ!」と言ってグローニャはスタスタいっちゃうよ。

バーディング 「ん?」(エリーネの方を見る)

エリーネ   「ん!」(同じくバーディングの方を見る)

キリ     なんか、目と目で会話してる〜(笑)

バーディング 「じゃあ、いくか」

 

シーン6

 

GM     じゃあ、キリ・エリット。君は砂浜で目が覚めるのでありました。

キリ     まわりに誰かいる?

GM     まわり?う〜ん、いないね。

キリ     いないのか〜。

エリーネ   ……そして、君は埋められている(笑)

キリ     「はうっ!首まで埋まってるーっ!」(笑)

エリーネ   そして、気付く。今は満ち潮だ。

キリ     「濡れるーっ!おぼれるーっ!」…じゃなくて!(笑)

 

GM     まあ、木ぐらいは打ち上がっているかな。

キリ     「そういえば、バーディングさんはどうなったんだろう?」とボケ〜っと考えています。

  

 …エドガーの事はいいんですか?キリさんよ(笑)

 

バーディング じゃあ、登場判定しま〜す。≪天候感知≫でダイスプラスして(コロコロ)成功!「おい、グローニャ!向こうで何か動いてる影があるぞ」

GM     「おー!生き残りか!」とザッザッザッと走ってくるよ。

キリ     「あーっ!さっきの人ー。バーディングさんの恋人さん?」(笑)

GM     「ハッ!?一体どういう認識をしているのだ、この坊主は」

エリーネ   (登場判定をして成功)「恋人さんです」(笑)

キリ     「ですよね〜」(笑)

GM     「フゥ。どうとでも言うがいいわ。言うだけならな」

エリーネ   「言われて嬉しいから」(笑)

キリ     「なるほど。ってアレッ?誰です?」

エリーネ   「齢16歳なエリーネちゃんです♪」

キリ     「(バーディングの方を見て)お知り合い?」

バーディング 「まぁな」

エリーネ   「お友達♪」

キリ     「お友達ですか。バーディングさんって、交友関係が広いんですね〜。(エリーネの方を向いて)僕の名前はキリです。よろしく〜」

エリーネ   「キリ?聞いたことがあるような気がする…」

キリ     「こっちも、見たことあるような気が…」

バーディング 「なんだ、知り合いか?エリーネちゃん」

エリーネ   「なんかね。どっかの誰かに似てる気がするの」

キリ     「…なんか、前に出会った人に似てる気がするんですよ。リューネに似てるのかな?」

 

 この2人は、リューネというザルム(正確には元ザルムだが)やザルム王“川霧彦”ヴォーゲンを通した知り合いである。エリーネはヴォーゲンの娘でリューネの妹。キリは、その前のシナリオ(河の乙女/メロディ・オブ・ミンストラル収録)でリューネやヴォーゲンに出会ったことがある。その話のなかで、彼の死んだ母親が、実はヴォーゲンの姉のザルムであったという衝撃的な事実を知り、触れられたくない過去になっているのだが(笑)。よって、エリーネとキリは、実は従兄弟同士の関係になる。

 

エリーネ   「お姉ちゃんのこと知っているの〜?ねえねえ?どういうお知り合い〜?」

キリ     「いや、僕が直接的に関わった知り合いではないんだけど…」

エリーネ   「じゃあ、パパと知り合い〜?パパは、ヴォーゲンっていうの〜」(笑)

バーディング (キリのキャラシートをのぞき込んで)まだ、ヴォーゲンの因縁消えてないし!すっごい気になるんでしょ(笑)

キリ     「…王冠をしたお魚のおじさんのこと?(本当に叔父さんになるが・笑)」

エリーネ   「ウンッ!」

キリ     「…まっ、まあ、そんな人も会ったことあったかな(汗)」(笑)

エリーネ   「ねえねえ。どうしたの〜?」(笑)

キリ     (話題を逸らして)「ザルム族が地上を出歩くなんて、珍しいですね〜?」

バーディング 「ふ〜ん、ザルムなのかエリーネちゃんは。スゲーなぁ。やっぱり、ザルムってのは噂に違わず可愛いんだな」(笑)

GM     「(呆れた様子で)…本当にお前は見境無いな。で、自己紹介は済んだか?」とグローニャは言う。まあ、そんなこんなで森の方にザクザクと歩いていくことになり、シーンが変わります。

 

シーン7

 

GM     じゃあ、次のシーンプレイヤーは再びバーディングさん。他の人はどうする?

キリ     とりあえず、一緒に着いていこう。

エリーネ   面白くなったら出る(笑)

 

GM     森の中をザクザクと歩いていくと、なんか植生がバラバラであることに気付く。北の物が生えていたり、南の物が生えていたりという風に。そして、南の物が元気な所は、北の物が元気がなかったりとか。

キリ     「アーッ!こんな所にマンゴーが生えていますよ。あれって食べられますかねぇ?」

バーディング 「まぁ、食えないことは無いと思うが…なぁ?」

エリーネ   くたびれたニホンザルがマンゴーをむしってたり(笑)

GM     そんなところをテクテク歩いていくと、ちょっと開けたところに出る。そこは、木がバキバキ折れていたり、下草がまるで生えるのを拒んでいるかのように、禿げていたりする。よく見ると、木は最近折れたような代物ではない。

エリーネ   そろそろ、動きがありそうなので登場判定を…(コロコロ)成功。

キリ     じゃあ、いつの間にかそこにいるんだ?(笑)「何処に行ってたんだい?」

エリーネ   「うん、マンゴー食べてたの。美味しかったよ♪」(笑)

キリ     「サルに邪魔されなかったかい?」

エリーネ   「“エイッ!(サルにマンゴーを投げる仕草)私のだもん!”ってやったの」(笑)

GM     そして、サルもマンゴーを食べた(笑)

エリーネ   それは秘密(笑)

 

キリ     (広場の様子を見て)「これは、自然に折れたやつじゃないですね」

バーディング 「こりゃ一体どうしたんだ?」

GM     「ここは、昔の戦場だ」とグローニャは伏せ目がちに言う。

キリ     「戦場?しかし、こんな小さな島で戦闘があったのですか?」

GM     「そうだ、8年前、この島に殺戮者と呼ばれる者がやってきた。これは、その時の戦いの後だ」

キリ     「あなたもいたんですか?その戦いに?」

GM     「そう、その時は私も戦った。殺戮者を倒すことは出来たのだが、大切な友人が失われた…」

 

 グローニャは肩の空いたスタディットレザーをしていて、露出部分に刺青がある。それは、カモフラージュなのか、あるいは際立たせているのか? 錨やドラゴンの刺青に混じって、左肩にはアルドールの、右の二の腕にはウェントスの聖痕が刻まれている。

 

バーディング 「…そうか」

キリ     「そうですか。それは大変だったんですね」

GM     「…そうだな」

 

GM     それでは、知覚判定をしてください。

バーディング 成功。 

キリ     成功。

エリーネ   クリティカルッ!

GM     では、そこの古戦場の下草に隠れるように、地面に人の頭ぐらいあるイグニスの聖痕のような模様があるのを発見する。

キリ     「何かありそうだ!」と下草をなぎ払う。

バーディング 「なんだか、妙な形の模様があるな」と言っておく。(バーディングは聖痕についての知識はあまりないので)

エリーネ   私には何か分かるかな?(ザルムの聖痕者は、聖痕者の使命について把握していることが多いため)

GM     まあ、ザルムの王女様だしね。

キリ     とりあえず、この聖痕の形をメモしておきます。筆記セットもちゃんと持ってるし。

一同     おぉっ!(一般装備品をしっかり持っていることに驚く)

GM     とりあえず、そんな事がありましたって言うことでシーンを切ります。

 

シーン8

 

GM     じゃあ、次はキリのシーン。他の2人は?

バーディング 同行者で。

エリーネ   はぐれる理由が見つからないので、同行者かな。

GM     では、再び歩き始めてまもなく、木々の間から、人の住んでいる村がのぞき見える。そうすると、グローニャは「じゃっ!」と言って立ち去ろうとする。

キリ     「あれ?なんで行っちゃうんですか?」

GM     「ここは、私の生まれ故郷だから、あの村の中には知り合いもいる。中には会いたくないのもいるからな」

キリ     「それなら構わないんですけど、危ない所には行かない方がいいんじゃないですか?」

GM     「まあ、何処が危ないかはお前達よりも知っているつもりだ。心配はない」

バーディング 「いやいや、心配で心配で夜も眠れなくなるな」(笑)

キリ     「ほら。バーディングさんもこう言ってますし。それに、僕達、村に知り合いがいないから、ついて来てもらわないととても困っちゃうんですよ〜」

GM     「大丈夫。村の連中は気のいい奴等が多い」

キリ     「じゃあ、そんなにいい人達なら、グローニャさんのこともちゃんと受け入れてくれますよ」

バーディング (キッパリと)「じゃあ、行くか。グローニャ」

GM     「ナニーッ!」(笑)

キリ     「エリーネ。君も、グローニャさんが一緒に来て欲しいだろう?」

エリーネ   「うんっ!グローニャちゃんも一緒がいいな〜♪」

キリ     「ほら。エリーネもこう言っている事だし」

バーディング 「それに、ここに部下が来てるかもしれないだろ?村で聞いてみたほうが良いんじゃねぇか?」

エリーネ   「みんな溺れてたよ〜。アップアップしてた」(笑)

GM     「なんでお前はそんな事を、冷静に見ているんだっ!それは、助けたのか?」

エリーネ   「何人かは波打ち際に“エイヤッ”ってした気はするけど。でも、どっち側の人か分からなかった」(笑)

 

GM     では、引っ張って行くなら、グローニャは仏頂面でついてきます。

エリーネ   じゃあ、引っ張って行かなかったら、にこやかについてくるの?(笑)

GM     そしたら、にこやかに去っていくから(笑)。…で、村に近づいていくと、村の向こう側のちょっと離れた所でプシューっと噴水が上がるのが見えます。

エリーネ   間欠泉?

キリ     みんな、そこでゆで卵作って食べているんだ、きっと。

GM     そして、村の中に入っていくと、通りすがりの人が物珍しそうな視線を向けるよ。

エリーネ   「こんにちは〜!」

GM     「ああ。あんたら一体どこから来たんだい?」

キリ     「船が難破しちゃって、この島に流れ着いたんです」

GM     「ほう。そりゃ〜難儀だねぇ。そういえば、他にも怪我をした人が運び込まれたって…」

キリ     「どんな人ですか?」

GM     「そうだね〜。なんか若い男の人で、剣とか持ってて、鎧とか着てて…」

バーディング 「そんなやつはいっぱいいすぎて分からないな」(笑)

キリ     「僕もそう思います」(笑)

バーディング 「まあ、行ってみたらいいんじゃないか?」

キリ     「じゃあ、そこに案内してもらえませんか?知り合いがいるかもしれないですし」

GM     「あぁ、あそこのちょっと奥まった所にある家だよ」そして、おばちゃんは、グローニャに気付いて「おぉ、グローニャウェイルじゃないか。あんた帰ってきたのかい?」

キリ     (その後の話は聞かずに)じゃあ、とりあえず僕は怪我人がいるという家に行きます。ポテポテポテポテ…

バーディング …行きます?グローニャに話しかけたっていうのを放っておいて?

キリ     とりあえず、ボクには関係ない(笑)

バーディング じゃあ、俺は当然グローニャのいる方にいるので(笑)。とりあえず、シーンプレイヤーごとシーンが動くので、退場って事になるのかな。

エリーネ   私も、こっちに残るので退場。

 

キリ     「こんにちは〜」

GM     そうすると、初老の男の人が出てくる。「おぉ。あんたは一体何者だい?」

キリ     「僕はキリっていうんですけど〜、船が難破してここに流れ着いたんですよ」

GM     「なんだ?さっき担ぎ込まれた人の知り合いかい?」

キリ     「怪我人がいると聞いたので、知り合いかなと思って来てみたんですけど」

GM     「ではでは、是非中に入りなされ」

キリ     「どうも失礼しま〜す」と入ってみるけど、怪我人は?

GM     そうすると、草ベットみたいなところにエドガーがいる。エドガーは意識がない様子で、顔から血が出ていたらしい。そしてそれを女の子が看病している。

キリ     「エドガーはさっき運び込まれたの?」と女の子に聞く。

GM     「そうです。村の若者達のリーダー、リウムが海岸線で見つけたって運んできたんですよ」

キリ     「でも、こんな鎧とかつけて良く無事で助かったよなぁ」…って鎧とか脱がせてあるんだよね?さすがに。

GM     うん、鎧は脱がされているよ。「えぇ、私もそう思います」と女の子。

キリ     ちょっとエドガーに呼びかけてみよう。「エドガー!起きろーっ!」

GM     そしたら、少女は止めるよ。「とりあえず、しばらくは様子を見た方がいいと思うんですよ。あなたも、難破して打ち上げられたのなら疲れているのではないですか?」

キリ     「えっ?僕は大丈夫だよ」

GM     「そうですか。でも、休みたくなったらいつでも言って下さいね。私は村長の娘で、シャリディーって言います」ちなみに、村長さんはさっきの初老の人で、ここが一番大きい家です。

キリ     「君はこの村で生まれたの?」

GM     「えぇ、そうです」

キリ     「へぇ〜、じゃあさっきプシューっていう水が出てたけど、ああいうことってよくあるの?」

GM     「あれは1日2回、決まった時間に出るんですよ。まあ、時計代わりですね」

キリ     「な〜んだ、神様のいたずらじゃないんだ」

GM     「???神様のいたずら?」

キリ     さっきの巨大生物“神様のいたずら”

エリーネ   命名〜♪(笑)

キリ     さて、それではみんなの元へ再び戻ります。

GM     では、そんなところでシーンを切ります。

 

シーン9

 

GM     じゃあ、グローニャの方に残った人のシーン。シーンプレイヤーはバーディング。

バーディング うん。

GM     おばちゃんはグローニャを捕まえて、「あんた出ていったグローニャじゃないか!なんで今頃戻って来るんだい?今、村が大変なんだよっ!」と文句のように言う。

バーディング 「まあまあ、カタいこと言っちゃいけねぇ」

GM     「なんだいアンタは?」

エリーネ   「グローニャの許婚だって」(笑)

バーディング 「まあ、グローニャの知り合いだよ。うん」

GM     「あれあれ、よその人がこんなに来ちゃって〜。でも、早く出ていった方がいいと思いますよ」

バーディング 「だがなぁ。出てくにしても、船がぶっ壊れちまってよ」

GM     「船なら、ウチの村にある漁船を使えばいい。きっとそういうことなら村長のクワントさんに言えば許してくれるよ。とにかく、今もめ事は充分にあるんだから」

エリーネ   「もめ事ってどんな〜?」

GM     「そんなことはよその人には言えません」

バーディング 「まあ、それはいいとしてよ。そう、打ち上げられた原因になったのは、なんかでっけーヤツが出てきたからなんだよな。それで、船が壊れちまったんだが、この辺でそういうのが出るって話はあるのかい?」

GM     そんな話を聞くと、おばちゃんは顔をこわばらせて、「そっ、そんな話は聞いたこともないよー」

エリーネ   「でっかいおやまに尻尾が生えてるの〜。別名『海の悪魔』とか、更に改名『神様のいたずら』っていうんだって」(笑)

GM     「なんだいそりゃ〜。(語気を強めて)とにかく、そんな話は知らないよ!私は只のおばちゃんだからね!何にしても、早く出ていったほうが良いよ!」っておばちゃん走り去っていく

バーディング 「ヤレヤレ、困ったな」

 

キリ     (登場判定をする)出れた〜。じゃあ、後ろから駆けて来ます。「バーディングさ〜ん。あの倒れていた人ってエドガーでした」

エリーネ   「それだ〜れ?」

キリ     「こっちの船に乗っていたエライ人だよ」

エリーネ   「あぁ!あの“虫食いパティ”に怒った人か」(笑)

バーディング 「ヤツは、女王様にぞっこんだからなぁ」

エリーネ   「そうなんだ〜」

キリ     「それで、さっきのおばちゃんはどうしたんですか〜?」

バーディング 「いやなに、化け物の話を聞いたら怒りだしちまってな。早く出てった方がいいってよ」

キリ     「出てった方がいいですか〜。この村の人達は優しいって言ってたのにね〜」

GM     「すまないな。中にはああいう人もいる。それに、確かに人はいいのだが、あまりよそ者を長く受け入れる気質の所でもなかったからな」

エリーネ   「それで、グローニャは知っているの?この村の問題って?」

GM     「想像はつく。だが、この場で言いたい話でもない。時を改めよう」と言ってその話は終わりみたいな顔をする。

キリ     「まぁ、話したくないならそれでもいいですけど」

GM     (話を切り替えて)「…村の連中も、泊まる一夜の宿と食事くらいなら、気前よく提供してくれるだろう」

バーディング 「とりあえず、飯を食ってからでも考えるか」

キリ     「そうですね〜。腹が減っては戦が出来ぬって言いますしね」

GM     じゃあ、移動するのでシーンを変えるよ。

 

シーン10

 

GM     次は、エリーネのシーンだけどどうする?

キリ     村長の家に行くでもいいし。近くを探検に行こう!でもいいし。

バーディング 極端な話、もう長老の所で宿は確保したからでもいいんだし。問題がなければ。

エリーネ   グローニャはどうするの?

GM     そうだね〜。一人になって考え事をしている。あと、村長さんの家には行きたくない様子。家に連れていくんだったら、振り切って逃げるかもね。

エリーネ   じゃあ、暇をつぶしに間欠泉を見に行こう。グローニャも連れて(笑)「グローニャちゃん♪観光、観光〜♪」

GM     グローニャも村に居たくないので行くでしょう。他の人は?

キリ     「じゃあ、僕もついていく!」(同行者になる)

エリーネ   「大冒険してくるね〜♪私が隊長〜!」(笑)

 

キリ     「この島には、間欠泉の他に、何か観光名所はあるんですか?」

GM     「観光名所といえるようなものは何もないがな」…でテクテクと歩き回るんだけど。この島は円周300m位しかない小さな島で…

キリ     …300m?

バーディング それって、直径100mしかないよ(笑)

GM     アレッ?円周300mじゃねぇっ!(笑)

エリーネ   今の算数的に円周300mだと、直径100mだよ(π=3だから)。なんか、浜辺に打ち上げられた時点で、すぐに村が見えるよ(笑)

GM     じゃあ、半径300mぐらいかな(円周1,8q)。そのぐらいあれば、40人位いる島として成立するでしょ。…で、間欠泉に行くんだっけ?2人でグローニャについて行くの?

エリーネ   いや、グローニャを引きずって(笑)

 

バーディング (登場して)「よっ!何か変わったものはあったかい?とりあえず、宿を貸してもらえるようには頼んできたからな」

キリ     「あぁっ!バーディングさんも来たんですか?ヤッパリ間欠泉に興味ありますよね〜?」

バーディング 「いや、そんなものはどうでもいいんだがな」

キリ     「えぇっ!じゃあ、グローニャさんのほうに興味が?」(笑)

エリーネ   「大人の事情だねっ!」(笑)

 

GM     それでは、間欠泉のあるところにたどり着く。間欠泉のまわりは、岩がゴツゴツしていて、周囲に柵がしてあり、『むやみに立ち入るべからず!』とか書いてあるね。グローニャは、「ここは村の聖地だ」と説明する。

エリーネ   「へぇ〜。何かいるの〜?」

GM     「別に何も住んではいない」

エリーネ   「フ〜ン。ここが世界のおへそなんでしょ?」(笑)

バーディング 「…で、グローニャよう。さっき話した化け物ってやつ。なんか心当たりねぇのか?」

GM     「海で襲ってきたやつのことか?あれは、私が倒すべき存在だ」

バーディング 「倒すべき存在ねぇ。そりゃーまた大きく出たな」

GM     「確かに彼は巨大だ。だが、私が引導を渡さねばならない…」で、グローニャは黙り込む。やがてなかば独り言のように、「…あるいは、その事情を知ったら、お前達は力になってくれるだろうか…」

キリ     「…事情次第ですね」

バーディング 「フン?何だ〜?そんなに信用ねぇかい?」

GM     「(軽く笑って)ある意味では信用ないが、こういう分野では気の置けないヤツだとは思っている」(黙ってバーディングの方を見る)

バーディング 「どうしたい、そんなにジロジロ見て?俺様に惚れたか?」(笑)

エリーネ   「かっこいいもん♪」(笑)

GM     「(ジットリと)良かったなーバーディング。あんな若い娘に好かれて良かったなー」

エリーネ   「取ったりしないよー」(グローニャの肩をパシパシと軽く叩く・笑)

キリ     「…それで、手を貸すって、どういうことを?」

GM     「じゃあ、まずは事情を話さねばならないな。だが、説明するより見てもらった方が早いか」…と言ってグローニャは、ヒラリと柵を飛び越える。「この中に秘密がある」

キリ     じゃあ、僕達も行ってみよう。ヒラッと。

GM     えっとね。間欠泉って火山だし、普通熱いものじゃん?でも、全然熱くないのね。それで中にグングン入っていくと、下が水浸しの洞窟になっている。

キリ     「こんな地下に、水がいっぱいあるなんて」…暗そうなので、オイルランタンをつけます。そして、パッと照らしてみる。

GM     そうすると、だいぶ奥に進んでいった所で、グローニャが無言で指をさした先に、透明な水の向こうに、フィニスの聖痕が照らし出されて見える。

キリ     「これは聖痕かな?いったい何の聖痕なんだろう?」

エリーネ   「これはね〜。多分フィニス」

キリ     「それで、この聖痕がどうかしたんですか?さっき島に着いたときに見たのも聖痕?」

エリーネ   「それは知らな〜い」

GM     「これは、この島ハイゲルング・ワルフィスフが最初から持っていた聖痕」そして、ランタンを掲げて天井の方を照らす。そこにはアルドールとかアングルス、フルキフェルの聖痕がある。

キリ     「なんで、こんなものが一体…」

 

GM     「8年前に殺戮者がこの島に来たことは話したな?その戦いで殺戮者は倒されたが、死に際にやらかしてくれたっ!この島は、実は生きた島だ。何百年も生きて巨大に成長した鯨の上にある島なんだ。“ハイゲルング・ワルフィスフ”は“丘のような鯨”という意味だ。…彼は、体に無数の聖痕が刻まれたが、あまりにも長く生き、賢く、自制心もあったせいか、すぐには闇の衝動に駆られることはなかった。その闇の衝動がわき上がる前に、彼は自ら、誰もいない深い海の底に赴こうとしたのだが、そうすると村の民達までも沈んでしまうだろう…」…ちなみに、グローニャさんは、以前はアルドールではなくエルスだったりする。自分の半身である者が闇に堕ちたので、自ら「私が引導を渡すっ!」ってなったわけ。

キリ     じゃあ、船を壊したやつとは無関係なの?島乗っけているんだし?

GM     いや、それもこの鯨。あれは尻尾だけだから。

キリ     それは、島が近づいてきたって大騒ぎにならなかったの?(笑)

バーディング それに、島はきっと大地震だと思うし。

GM     島の人は大地震に慣れてる(笑)。それに、島の人はみんな鯨だって事を知っている。

エリーネ   (ポソッと)住むなよ(笑)

GM     いや、島の人にとっては、このことはむしろ誇りなんです。…で、グローニャはまた語り出す。「村がもめているのは、それ絡みなんだろう。去ろうという者、去りたくないという者。村全体で動くことはなくても、行きたい者だけ行けばいいと私は思っているのだがな。だが、故郷であり、親のようなものであり、人生の師である鯨を見捨てるぐらいなら、一緒に沈んでしまいたいと思う者の気持ちも分からないではないが…」

キリ     「じゃあ、鯨と戦っている間だけでも、船で避難してもらうとか…」

バーディング 「どっちにしたって、鯨を倒したらこの島は無くなってしまうだろうさ。どうするんだ?結局、村人を説得するなり、尻をひっぱたくなりしてここから追い出すしかないんじゃないのか?」

GM     「…そうだな、村へ戻ろうか。私の船が壊れた以上、この村の船を使わねばならないし」

キリ     「じゃあ、村にいって、みんなを説得してみましょう!」

GM     …でシーンプレイヤーは誰だっけ(鎖を渡そうとする)。

エリーネ   は〜い♪

GM     アンタ、喋ってないじゃん!(笑)

 

シーン11

 

GM     それでは、キリのシーンです。村に戻ってくると、村長さんの家で、何やら言い争う音がする。

キリ     では、駆けつけましょう。タカタカタカタカタカ…

GM     まあ、扉なんてあってなきがごときの家です。

バーディング では、覗くと。

エリーネ   私も。

キリ     僕は中に入ります。

GM     中には、村長さんとその娘さんが一緒にいて、娘さんは泣いている。そしてその反対側には村の若者達が相対していて、村長さんと激しく言い争っている。

キリ     「何があったんですかっ!」と娘さんに聞く。

GM     シャリディーちゃんは、泣いていて何も答えないんだけど、村の若者の方が…

エリーネ   (突然村の若者をプレイ)「島を捨てるべきだっ!」「こんな島と一蓮托生なんてまっぴらゴメンだっ!」(笑)

GM     …いや、そこまでの言い方はしてないけどね。村長さんは「…いや、しかし、儂はこの故郷を捨てられん。行くならお前達だけで行け」と言う。それに対して若者は、「あぁっ!そうさせてもらう!俺達は決めた!行くぞっ!…だがな、村長。アンタは良いかもしれないが、シャリディーちゃんはまだ若いんだ。一緒に行くべきだ!」と。そして、そのシャリディーちゃんは泣きながら「でも、鯨さんはこんなに苦しんでいるのに。私、見捨てていけないっ!」って言う。

キリ     では、男達の方に「自分たちが逃げるのは勝手だけど、他の人まで巻き込むのは良くないよ。人には一人一人意志があるんだし」

GM     「クッ!しかし、シャリディーは一緒に育った兄妹のような友達なんだ。それに、鯨だって俺達に早く出ていって欲しいと何度も訴えかけてきた」

キリ     「それは、君たちの事が心配だからだろう?」

GM     「そうだ。鯨は、闇への衝動が高まる前に、自ら海の底深くに退きたいと考えているんだが、俺達がいることによって、その鯨の邪魔をしている。苦しみを強めているだけだ!俺達が、早く出ていけば、彼は海底で眠りにつける。そうじゃないかっ!シャリディーッ!」

キリ     「村長さんは、どう思っているんですか?」

GM     「…儂も、その意見には賛成じゃが…、しかし、儂は鯨を見捨てて島を去ることが出来ん。それに、儂のような年を取った者が、生まれ故郷であるこの島を離れ、新しい場所で、新しい生き方が出来るとは思えんし…」

キリ     「故郷っていうのは、自分の心の中にあればいいと思うのだけど。それだけにこだわる必要はないと思うよ」

GM     「若い者は皆、そのように言う。だが、儂の様に老いた者には、新しい世界に踏み出す勇気はもうない。しかし、シャリディーには出来れば彼等について行って欲しいのだが、ウチの娘は人並み外れて鯨を愛しているからな。……ウチの娘達は二人ともそうだった…」

キリ     「娘達?ここにはシャリディーさん一人しかいないじゃないですか?」

GM     「そうだな。もう一人は出ていってしまった。もう一人は、鯨を愛しているからこそ、早く楽にすべきだと。アレは、シャリディーよりもずいぶんと気性の荒い娘だった」

キリ     「あぁっ!それはグローニャさんの事ですか!」

GM     「そうじゃ!会ったのか?」

キリ     「はい、ついさっき会ってます」…逃げてるかもしれないけど(笑)

GM     「なんだと!来ているのか!」

キリ     「(突然外に向かって大声で)バーディングさーん!なんかこの人、グローニャさんの父親なんですってーっ!」

バーディング 「(苦笑して)…だとよ。どうするんだ、グローニャ?」

GM     「残りたい者は残ればいい。…そうだ残ればいいんだ」とポツリと呟いた後、ズカズカと中に入って行く。そして、家族の方ではなく、若者達に向かって「お前達。私は、彼が闇に堕ちた以上、死こそが最大の安らぎと考え、このハイゲルング・ワルフィスフに引導を渡す為に戻ってきた。残りたいと思う者にかまう必要はないだろう。私の力になってくれ!これから海に乗り出し、我々は鯨と戦う!無理にとは言わないが、勇気ある者は、そして志のある者は、この戦いに手を貸してほしい!」と演説する。そうすると、島の若者達は、「なら俺はそれに協力しよう!」となる訳ですな。まあ、そこまでの勇気がない人は、島の人々が避難するのをサポートするとかで、彼等はかなりやる気満々になってくる。

バーディング フン。なるほど。

GM     そうすると、グローニャは、君たちに向かって、「では、私は先に船に行って準備している。説得したければするのも自由だ。だが、あまり時間はなさそうだ。急げよ」と言って去っていく。そして、村の人もそれについていきますね。

バーディング 「あぁ。さてと…」…ってシーン変えない?

GM     そうだね。

 

シーン12

 

GM     それでは、シーンはバーディングさん。村には、君達と村長と娘以外はいなくなり、人気が無くなりガランとしているよ。…ってそういえば、エドガーがまだ眠っている(笑)

エリーネ   忘れていれば後で、コポコポコポ…(水中に沈む音)ってなったのに(笑)

バーディング 「(キリに向かって)じゃあ、エドガーを起こしてやってくれないか?」

キリ     「エドガー!エドガーっ!」ペチペチペチってやる。

GM     「ハッ!キリか!?」

キリ     「(開口一番)あの船沈まないって言ったのに、沈んでいるじゃーん!」(笑)

バーディング 「お目覚めかい?目が覚めたならとっととこの島を離れた方がいいぞ」

GM     「一体何が起こっているんだ?」

バーディング 「島が沈むんだよ!」

GM     「何っ!島が沈むだと」

バーディング 「とりあえず、早く出な」

キリ     「早く出ないと、今度こそ本当に死んじゃうよ!」

GM     でも、エドガーはまだ一人では歩けないんですな。

キリ     歩けないの?(まわりの視線が連れていってくれることを期待してキリのプレイヤーに集まる)…ってエーッ(笑)。「…じゃあ、しょうがないな。肩を貸してあげよう」

バーディング 「頼んだぞ」

キリ     「うん」って言って退場。途中で、「これから乗るのはグローニャさんの船なんだよ〜」とか適当なこと吹き込みながら(笑)

エリーネ   まあ、村長の娘なんだから、間違えではないかもしれないけどね(笑)

 

バーディング 「…で、お二人さんはどうするかね?」

GM     そうすると村長さんは娘さんに向かって、「(優しい声で)お前は行きなさい。お前は若い。お前なら新しいところでもやっていけるだろう」と諭す。

バーディング 「でも、そっちのお嬢ちゃんは、アンタを残して一人で行くってことはできないんだろう?」

GM     「…う〜む。そうじゃなぁ…」

バーディング 「アンタが残るって言っている限り、このままってことだろうがよ。別になぁ、残るっていう気持ちが分からないわけではないがな。だが、死ぬだの命を共にするだのと簡単に口にしてくれるんじゃねぇや」

GM     「儂は、軽々しく口にしているわけではない。そう、半世紀も住んでいるような故郷を捨てる。それがどんなものか分かるか?若人よ?」

エリーネ   「そんなの知らないも〜ん。でも、村長さん死んじゃったら、鯨さん泣いちゃうよ」

バーディング 「大体なぁ。死ぬの生きるのって自分で決めるような問題じゃねぇんだよ!」

GM     「…ここで死ぬのが儂の定め」

バーディング 「それが、傲慢だっていってんだよ!アンタがここで、死んだらよ。他の村の連中はここに残してきちまった事を、死ぬまで後悔するだろうが!」

GM     「…そうじゃろうか?」

エリーネ   「それに、村長さんが生きていて、鯨さんの事を思い出してくれれば…。忘れられちゃうのって寂しいんだよ?」

GM     「そっ、それは…」

バーディング 「まあ、どちらにしても、ブン殴ってでも連れていく」

GM     では、娘さんのほうが、バーディングにすがり付いて、「お父さんを、無理に連れていくのはやめてっ!…ねぇ?一緒に鯨についていって死んでしまうよりも、いつまでも憶えていてあげる方が優しいことなの?」

バーディング 「(優しげに)あのなぁ。一緒にいて何もしてやれないよりは、どこか遠くにいても、何かしてあげられるなら、そのほうがいいんだよ」

GM     それは、15歳のシャリディーちゃんにはとても重く、頬でも張られたかの様にショックを受けた顔をする。「そうか、私は、弱虫だったんだ…。ここを捨てられないお父さんと同じだったんだ。私は、お父さんとは違くて、ここを捨てられないから出ていけないんじゃなくて、鯨の事が好きだから出ていかないのだと思っていたけど…。……分かりました。私は、新天地に行って、いつまでも鯨の事を、優しい気持ちで思い出すわ。だから、お父さんも一緒に…」と村長さんに言う。「…儂の弱い心が、鯨の為にはならないと、…故郷のためにはならないと言うわけだな。(PCの方に向き直り)あんた達。あの跳ねっ返り娘の手伝いをしてくれると言っていたな?」

バーディング 「あぁ」

GM     「よろしく頼む。あんなのでも、儂の娘じゃ。しっかり守ってやってくれ」

エリーネ   「ひねくれ者だけど、いい娘だよ」

バーディング 「さあ、決まったんなら、さっさと準備するんだな」

GM     それでは、みんなで船に向かうということで。

 

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