星降る夜の記憶 [展開ステージ・後半]

 

シーン14

 

GM      さて、それから数年後。ラギスさんのシーン。「おいラギス!俺と勝負しろ!」後ろから声をかけられる。

ラギス     誰?

GM      オウガにしては小柄な1.8mくらいの青年。君の友人のシェルフェン君だ()

ラギス     どういう認識をしていればいいの?

GM      ラギスさんの知っている今のシェルフェンとは、外見はどうみても全く違う。ただ、シェルフェンと呼ばれているのは確かで、親しくしている間柄だ。中身は多少似ているかもしれない。だから余計に混乱するかもね。

ラギス     年齢は?年齢相応だから背が低いのか、それともある程度歳がいっているのに、その身長なのかとか

GM      うん。もう成人しているけど、えらく小柄だね。「どうした?」

ラギス     「勝負をしたいというのなら構わぬが」

GM      「じゃあ、勝負だ!」といって、挑んでくるわけですよ。彼は決して、腕が悪いわけではないけれども、やっぱり体格のせいか、一撃が軽い。そんなわけで、あっさりと勝利できる。「くそう!なんでこんなに弱いんだ!もっと力があれば!」

ラギス     「お前は体が小さいからな。もっとそれを生かす方向でいかなければ」

GM      「生かす方法?そんなものがあるっていうのか!」ちなみに、シェルフェンは竜を倒した首長の息子だ。そして、首長は最強の戦士であるがゆえに、力に恵まれなかった事をシェルフェンが一番感じているのだろうという事は知っている。周りはそんな事思ってないのに、「皆そんな目で見るな」とかいう風に思っちゃっている節はある。

ラギス     「悪いわけではないのだがな。自分に合った戦い方というものがある」

GM      「自分に合った戦い方だと?それも、力があっての事だろう!」

ラギス     「だが、俺のような大きな者に、力任せの戦い方をしてもそれはかなわないだろう」

GM      お前は力があっていいよな」

ラギス     「たまたま恵まれただけかもしれないがな」

GM      「恵まれた者しかそんなことは言えないがな!」

ラギス     「だが、無いものを願ったところで仕方あるまい」

GM      「それはそうかもしれないがな」

ラギス     「無い物は願うのではなく、どこかで補うしかない」

GM      まあ、憶えておこう」と言って、シェルフェンは立ち去っていくよ。

 

シーン15

 

GM      さて、半分マスターシーンなので、どんどんいくよ。次もラギスさんのシーンでいっとく?

アリアン   えっと、ラギスさんのシーンが連続しないように、首長が火傷した原因について、グリゼルダさんやフログデインさん達に聞きに行くシーンをやっていいですか?

GM      まあ、時系列相当戻るけどいいよ。

 

アリアン   では因縁があるからフログデインさんに。「フログデインさん、フログデインさん」

GM      「どうしました、アリアンさん?」

アリアン   「竜退治を見てきました」

GM      「それで、どうでした?」

アリアン   「かくかくしかじかで、首長さんがあわや焼け死んでしまうところだったんです。リーゼンギュルテルはあんな炎が治まらなくなってしまう様に作られているんですか?」

GM      「まあ、ありえるかもしれませんね。だって、グリゼルダさんが作ったものですから。スパー」()

アリアン   ひとごと?()「フログデインさんは関わっていないんですか?」

GM      「いえ、関わりましたよ」

アリアン   「それで、消火にあたったデイヴィッドさんまで倒れてしまって

GM      「おやおや、それは大変でしたね。じゃあ、リーゼンギュルテルのところにデイヴィッドさんがいれば、丸く収まるじゃないですか」

アリアン   「で、でも、まだ三日経ちますがまだ起きないそうです」

GM      「大丈夫ですよ。五日経てば起きますから」()

デイヴィッド まるでわかったような発言を()。(起きるまでの日数はダイスの結果四日だった)

 

アリアン   「危険ではないのですか?あれを使い続けることは」

GM      「まあ、そうかもしれないですけど、何か問題でも?」

アリアン   「何か安全装置を施すとかはできないんですか?」

GM      「安全装置?また難しい事を言いますね。大体にして、それがあったから竜が倒せたんでしょ?なら首長も本望ですよ。オウガってそういう種族ですし」

アリアン   「まあ、そういうところはありますね」

GM      「それに、それはリーゼンギュルテル自体の発火というよりは、フィードバックの結果でしょう。おそらくは」

アリアン   「じゃあ、首長さんがヒートアップしたからっていうこと?」

GM      「そういうことだと思いますよ。その前に重症を負ったんでしょ?おそらくそれがトリガーになったんだと」

アリアン   「そうですか。そこは気をつけてもらうようにしてもらったほうがいいですね。敵を倒すたびに強い戦士が死んでしまっては

GM      「そうですね。資源のムダ使いですね」

アリアン   「そっ、そうですね」若干不満()

GM      「まあ、そんな事があったなら、改善の余地があるかもしれませんね。いやいや、面白い話が久しぶりに聞けましたよ」と

アリアン   「じゃあ、改良してください」

GM      「それは私の仕事ではないので」

アリアン   「じゃあ、グリゼルダさんにいっておきますね」

GM      「どうぞ、ご自由に」

アリアン   フログデインさんはやっぱりそういう人だなぁ。別に今のフログデインさんは悪い人じゃないんだけど。

GM      フログデインは、興味深そうにニヤニヤしてる。

アリアン   やっぱり技術屋なのかなぁ。グリゼルダさんはおんなじ様な反応?

GM      まあ、若干はましかな。

アリアン   なら良かった。

 

シーン16

 

GM      次はどうしようかな。

デイヴィッド 私は、他の《元力:海》の使い手と親交を深めたい。

GM      おお、予期せぬ事が()

アリアン   いい切り口だ()

デイヴィッド だって、ここ以外でもう調べられるところはないんだもん()

 

GM      じゃあそれでいこうか。

デイヴィッド あんな火を消したら、すごい疲れたよ的な観点で。

GM      だろ?あるある」

アリアン   それ、《元力:海》あるある?()

GM      そう、海あるある()。まあ2〜3人しかいないけどね。

デイヴィッド やった、同じ力を持つものが。スゲー()

GM      じゃあ、《元力:海》あるあるが聞けるよ。

デイヴィッド 「私もそんなに詳しくはないのですが、この元力の力は他の元力と比べると、どうも掴みにくいというか

GM      「だよねー」

デイヴィッド この元力使いが軽いのは何故なのか()

GM      この人も疲れているから()。「確かにね、他の《元力:波》とかと比べるとね」

デイヴィッド 「なんというか似て非なるといいますか」

GM      「そうだね、《波》と比べると力自体が大きいらしいよ?」

デイヴィッド 「大きい?元力としての力が?」

GM      「そうそうそう。なんていうのかな。水溜りと海の違いみたいな?《波》使いでは消せない火も消せるとかね。まあ火に限ったことではなく、熱なんかもそうだけど」

デイヴィッド 「ほほう。ただ、我々が使いこなせているかどうかは別問題」

GM      「まあ、使いこなせるような《海》使いは知らん!」()

ラギス     だから居なくなったんだ()

デイヴィッド 「そして、頑張って使おうとすると、こうなると」

GM      「そうそう。ってなったの?」

デイヴィッド 「まあ、四日程寝込ませてもらいました」

GM      「あるよねー。俺もやったことあるよ」()

デイヴィッド 「先に知っておきたかった」

GM      「でも、《波》使いでも消せない炎とかって、そんなのそうそうないから。だから、首長が燃えたとかいうのも、別に《波》使いでも大丈夫だったんじゃない?」

デイヴィッド 「でも、私四日も寝込んだんですけど」

GM      じゃあ、《波》使いじゃダメだったかも?」()

デイヴィッド 「私が未熟だったから?」

GM      「そうだね、俺だったら二日で」()

デイヴィッド 結局、寝込むんじゃねーかよ!()

 

GM      「確かに、《波》使いでは無理な部分もあったかもしれないね。でも、何か問題でも?」

デイヴィッド 「問題はないのですが、しかし、こうなにかあるごとにバタリバタリと倒れていては、身がもたないかなと」

GM      「慣れじゃない?」

デイヴィッド 「慣れですか?結局こう、負荷かけているうちに使いこなせるようになるさと」

GM      「まあ、慣れなきゃ死ぬだけだし。慣れるか死ぬかでしょ。だったら使わなきゃいいんだし。使わないほうがいいと思うよ?」

デイヴィッド 「極力そうしたいところではあるのですが、使わなきゃいけないこともあるでしょう」

GM      「そりゃね、闇の眷属とかで炎の魔神とか獣とか出てきて、頼りにされると逃げ出したくなるけどね」

デイヴィッド 「なんか、刺し違える覚悟が必要ですね」

GM      「あの手のものは、剣とか効かないしね。特にここだと、皆さん殴ってなんぼみたいなところもあるから大変なんだよね」

デイヴィッド 「元力付与ぐらいで止めておきたいところですね」

GM      「でも、武器に付与するぐらいじゃダメっぽいところもあってね。《海》を付与しても、大して《波》と変わらないんだよ」

デイヴィッド 「そうなんですよね!」()

アリアン   お、きたきた()

GM      「なんだろね、あれ?血統とかそういう話ではないんだけど」

デイヴィッド 「離れるとダメなんですかね?となると、やはり自分で出張るしかないと」

GM      「命削って、何ぼみたいな?」

デイヴィッド 「炎の魔神の火なんて消しちゃった日には」

GM      「オレの命の火まで消しちゃうぜみたいな」()

デイヴィッド 「そりゃ減りますよねぇ。皆バタバタ倒れるでしょこれ。他の元力使いよりも分が悪い気が」

GM      「そりゃあね。それで、仲間の命が救えれば、わー!オレかっこいいとか言っておく?」()

アリアン   ぶっちゃけトークだね()

GM      「ぶっちゃけ、そういう力だよね」

デイヴィッド 「なんともイヤな星の下に生まれましたね」

GM      「ですよねー。まあ、使わなきゃそれに越した事はないんだから、いいっちゃいいんですけどね」

デイヴィッド 「でも、使わなきゃいけないときはたいていヤバイ時ですよね」

GM      「どうしても助けなきゃいけない仲間とかがいるときはね」

デイヴィッド 「長生きできますかね?」

GM      ……ムリ!」()

アリアン   いいタメだった()

GM      「よっぽど責任感がないとか、逃げるの何の問題もないですとかいうやつ以外は、三十歳越えたのを知らない」

デイヴィッド 「そうですか、そうですか〜、そうですかー!(嘆息)」

GM      「まあ、お前さんも使わないに越した事は無いと思うよ?」

デイヴィッド 「でも、ここに居て、使わないなんてことってできますかね?」

GM      「日々、アー様に『炎の獣こないでください』って祈るしかないんじゃない?」()

デイヴィッド 「毎日お祈りはかかしません!」

 

GM      まあ、そんな感じだよね。

アリアン   あるあるー()

GM      あるあるー()

デイヴィッド 《海》あるあるこえー!!()

 

シーン17

 

GM      じゃあ、次はアリアン。時系列的にはさっきのシーンから十年とか経ってるような時間。「アッリアンさーん!」

アリアン   誰々?「フログデインさ〜ん?」

GM      フログデインさんがニヨニヨしながら来るよ。

アリアン   「あら、嬉しそう。どうしたんですか?」

GM      「なんと!なんと!面白ーいモノを手に入れたので、是非ともお見せしたいのですが」

アリアン   「はー、見たいです」

GM      「まあまあ、どうぞこちらへ」とフログデインさんの工房に案内される。「これです!」

アリアン   ジャーン!なんだ!?

GM      君の前に差し出されたのは、黒くて脈打ってる、手に取っていいものだかよくわからない物体。

アリアン   「これ何ですか?」一瞬手をだしかけてやめる。

GM      「先日、闇の者達と戦いがあったの知ってますよね?その戦利品です!」

アリアン   「なんだか、とても闇のようなものを感じますが?」

GM      「アリアンさん。今、とっても不快感のようなものを感じてますね!」

アリアン   「ええ、若干()

GM      「これはどうやら周囲のものの感情を糧にして力を発揮するような、特殊な物質というか生物というか存在ですかね」

アリアン   「じゃあ、いまはフログデインさんのワクテカを吸っているんですね?」()

GM      「ええ、あなたの不快感とともに。なのでこんなにビクンビクンしているんですよ!」()

アリアン   「これを何かうまく使っちゃおうみたいな?」

GM      「ええ、使っちゃおうみたいな。私、天才!みたいな」

アリアン   「危険じゃないんですか?」

GM      「何を言っているんですか!これを武具にしたら、相当な力を得られるんだと推測されます!」

アリアン   「う〜ん、そうですねぇ。あのリーゼンギュルテルみたいに?」

GM      「むしろ、アレを超えるような!それはそれは素晴らしい武具が!これを用いれば闇の眷属など一網打尽!!」

アリアン   「見るからに危険そうですよ?」イヤー!怖いよー!()

GM      「アリアンさん、何を全うな意見を」()

アリアン   「だって、使いこなせる人がいないと、やっぱり意味ないじゃないですか」

GM      「なんだって!ウ〜ン」

アリアン   つまらなそうだ()

GM      「アリアンさんが分かってくれなーい。そうですか?やっぱり

アリアン   「凄いものだというのはわかりますが

GM      「すごーいですよ。でも、まあ友人であるあなたがそういうんなら、危険かもしれないですよね」

アリアン   「うんうん」

GM      「しょうがないですね。あきらめて処分することにしますよ」

アリアン   「封印するとか、滅ぼすとかしないと駄目ですね、これはきっと」

GM      「そうですね。扱いが難しいので、その辺は私が責任を持ってちゃんと処分しますから、心配は無用ですよ」

アリアン   「扱い気をつけてくださいね。フログデインさんが飲み込まれちゃったら大変ですよ」

GM      「はあ?大丈夫ですよ。私はその道のエキスパートですから。あなたとは違うんです!」()

アリアン   「はい。技術力の高さは分かってます。くれぐれも、使い手のない武器なんて意味無いんですから」なんかこう、未来:裏切りがなんとも心に引っかかる()。でも、それ以上は何も言えないよなぁ。

GM      一応、フログデインを信じるのかな?

アリアン   この場は処分するって言ったからには信じるしか。

GM      ではそのアリアンの役であった人はその場から出て行く。アリアンはシーンを全部把握できるからわかるのだけど、出ていくアリアンを見て、ニヨニヨとしているよ。

アリアン   だめだ、フログデインさん!()

デイヴィッド 全然守れてないね()

 

シーン18

 

GM      さて、次はラギスさん。時系列的には前のアリアンのシーンとおなじくらいかな。ラギスさんが何か用事があって里を歩いているシーンだ。 城を見上げているシェルフェンがいる。オウガは山間に城をつくって住みついたりするからね。ちなみに、この里の城は巨大な竜の骨で出来ている。

アリアン   すごいね。

ラギス     「どうしたんだ?」

GM      「いや、お前も知っているだろう?この城のこと」

ラギス     うん、何を?()

GM      まあ、プレイヤー的にはそういわれても何をだね()。この城は、首長が竜退治にいって倒した竜の骨をその後持ち帰って作った城だ。「この城は、親父がこの地方を荒らしていた竜を倒した、戦利品みたいなもんだ」

ラギス     「竜との戦いは凄まじいものだったな」

GM      「そういえば、お前は見に行ったんだよな。どうだった?」

ラギス     「いや、素晴らしいものだったぞ。ただ、リーゼンギュルテルの試作品を使いこなすのはまだ難しいようでもあったな。それで火傷を負ったのだからな」

GM      「そうか

ラギス     「だが、あれ程使いこなす事ができるのは今、ここにおいては首長しかおるまい」

GM      「そっか、そんなに凄かったのか。だが、俺はいつか、かならず親父を超えてみせる!そして、その為に力をつけて、いつか竜を倒す!なんだ、馬鹿にしてるのか?」

ラギス     「いいや、素晴らしい目標だな」

GM      まあ、そう言ってくれるのはお前だけだろうな。この里では力が全てだ。試しを超えられなければ、戦士として、大人として認められない。だから俺は力が欲しい。里の奴らを見返してやりたい。必ずだ!」

ラギス     そうか。だが、あまり気負いすぎるな?」

GM      ああ、分かっている」といって、シェルフェンは去っていくよ。ちなみに、この時代は戦士として認められないと言っているが、まだ騎士という概念がないのだよ。そして、オウガの試練も力の試ししかない。

ラギス     ふむ。

 

GM      そして、シェルフェンが去った後に、今のラギスさんが下についている、賢者の女性がやってくるよ。 「あなたの目から見て、彼はどう見えますか?」

ラギス     「少々意地になっているところはあると思うのだが」

GM      「そうですね。彼が力を求めるのは、この里のあり方にも関係するのかもしれないですがね」

ラギス     「オウガに生まれてそれを求めるのは自然な事だ」

GM      「そうですね。ただ、彼はそれに心がついていっていないように見えます」

ラギス     「見ていると非常に危うい。ただ、力だけを持ってしても出来ない事などいくらでもある」

GM      「そうですね。あなたにはそれが分かっているようですね。ただそれが、この時代では成り立たないのですよ」

ラギス     この賢者ってもしかして?

GM      確かになんとなく、最初にリーゼンギュルテルの意識に触れた時の、炎をまとった女性と似ている。まあ、同一人物かどうかはわからないけど、面影は似ているかなという感じ。

ラギス     「この時代では?」

GM      試し力の試しだけの時代ですから。力無きもの達は、どうしても軽んじられる。この里の在りようというのが、彼のようなものを育んでいるとも言えなくはないですね」

ラギス     「そうかも知れないな。だが、それを変えていくことはできるのだろう?」

GM      「できるかもしれませんが、それには相当な時間がかかるのではないでしょうか」

ラギス     「できることからやっていくしかないが

GM      「いつかまた、あなたが首長にでもなればまた違うのでしょうけどね。では私はそろそろ」と去っていく。

 

シーン19

 

GM      では次は、マスターシーンだ。しばらくマスターシーンかも()。時系列的には前のシーンの更にしばらく後。シェルフェンとフログデインのシーンだ。フログデインが馴れ馴れしくシェルフェンに言う。「やあやあ、シェルフェン。さて、王にリーゼンギュルテルがあるように、あなたにも優秀な武具で助力をしたいのです」

アリアン   ああー、やっぱり爆破しておけばよかった!まあそれはできないんだろうけど。

GM      そう、それは歴史が許さないからね。「これはグリゼルダと私が、共に作り上げたものです。必ずあなたの力になりましょう!これで力の試しを是非とげていただきたい。これはオウガとドワーフ、そしてエルフとの友情の証になるのですから」

アリアン   悪そーう!()

GM      シェルフェンが「これは?」というと、フログデインはニヨニヨしながら黒い鎧を差し出すのですよ。

アリアン   悪いオーラは出してないんだよね?まわりの感情吸っているだけで。

GM      そうだね、まだこのときは、鎧もニヨニヨしてるだけだ()

アリアン   まわりのワクテカを吸っている()

GM      シェルフェンもそう言われれば、受け取らないわけにもいかない。そもそも、そういう力を欲しくてしょうがないし、エルフとドワーフが云々とか言われれば、断れない。だから、シェルフェンは当然受け取るわけです。

 

シーン20

 

GM      さて、次のマスターシーン。ずっとオレのターン()。さて、そんな助力をうけて、気を良くしたシェルフェンが王に対して、力の試しをしたいと申し込む。それに対して周囲は冷ややかな反応をするわけです。この当時の力の試しといえば、里周辺にいる竜を倒して来いというような内容。竜といっても別に、そんなにしっかりとしたものではなく、レッサーとかワイバーンとかワイアームとか竜属に連なるものでいいというようなものだ。もちろん、倒した竜のランクに応じて、どれくらいの賞賛が受けられるというのはある。

アリアン   「お前、力の試しでワイアームかよ!」みたいな?

GM      そう。でも、まあ、通過儀礼的な側面もあり、あとでもっと強いものを倒せばいいみたいなところもあるけどね。試し自体もいくつになったらやらなくちゃいけないというようなものでもなく、やるというならやればというような位置づけのものだ。もちろん、試しをうけるのは無理じゃないかといわれるものもいるし、シェルフェンもその類ではある。ただ、今回はドワーフの助力があるということで、それならばまあいいでしょうと許可される。

アリアン   それってお手伝いはOKなの?

GM      いや、基本的には一人。物品の供給なんかはいいけどね。シェルフェンの試しはそんな風に承認されるわけです。そして試しの対象として選ばれたのは後にロヴレンドと呼ばれる事になる火竜なわけだ。

アリアン   えっ!すごいじゃん。って当時はわからないか。

GM      うん。まだこの当時はまだ若くて、力もそれほどではない。君達からすれば、あのロヴレンドって思うかもしれないけど、今この当時の知識としてみれば、まだまだそんなものでもないという感じかな。力はそれほどでもないのだけど、気性がそうとう荒くて被害は結構なものだ。

デイヴィッド ここで死ねばいいのに!()

アリアン   見に行きたい!

GM      見届けたいなら構わないよ。手出しさえしなければ。

 

シーン21

 

GM      さて、シェルフェンがロヴレンド退治しにいくのを見に行きたい人は?

全員     はーい!

GM      まあ、みんな見にいきたいか。雁首そろえてぞろぞろと()

 

アリアン   シェルフェンの着ている鎧を見たときに、私は「フログデインのやろう!」って思うよね()

GM      君は裏切られた気分になるよ()

ラギス     リーゼンドルクじゃん!

GM      まさに!

デイヴィッド 見覚えが!

ラギス     因縁持ってるよ。未来:闘争:リーゼンドルクとか。

GM      あったよねぇ。ガイリングが着ていたものに見える。遠めに見るわけではなく、近くでまじまじと見れるし。

アリアン   フログデインさんの肩をつかんでガッと!

GM      残念ながらフログデインさんはいない()

デイヴィッド アリアンの肩をポンポンと叩きながら、「後でフログデインを絞めましょう」()

 

GM      では、君達はシェルフェンの見届け人としていく事になった。フログデインとかが一緒にいって、鎧からギミック発動みたいな手助けをされても試しとしては困るので、君達が代わりにいくことになったと。あと、賢者も行く事にしようか。ではロヴレンドのいるところまで一週間ぐらいの旅をする。

アリアン   その旅の間に、シェルフェン君の人となりを知る事になるのかな。

GM      まあ、その辺はわかるね。

デイヴィッド 評価としては焦り気味の若人?

GM      焦り気味というよりはむしろ飢えてる。

アリアン   危険だ!

デイヴィッド 焦り気味ぐらいなら矯正のしようがあるかなと思ったら、もう間違い始めちゃってるんじゃん。

GM      君達の目からすればそうかな。さて、ロヴレンドの住処につく。そしてシェルフェンがロヴレンドに挑むよ。意外なことというか、ロヴレンドの力がまだまだ弱いという事もあって、シェルフェンも頑張っている。最初はシェルフェンは防戦一方で、手出しをできない見ている君達もハラハラするぐらいだ。

ラギス     「しっかりしろ!」

GM      そのうちだんだんと、シェルフェンは反撃しはじめたり、余裕が出てきたような感じもあって、なんだかんだで三日三晩戦闘は続く。そして次第に、鎧が鈍く黒く輝いてくる。鈍く黒く輝くってよく分からないね()

デイヴィッド いいたいことは分かるが、ビジュアル的には良くわからない()

GM      まあ、黒い光みたいな禍々しい感じが鎧からは増していき、それにつれてシェルフェンの表情が狂気じみているように変わってくる。

デイヴィッド 横にいるラギスさんつついて、「ラギスさん。アレ

ラギス     「危ないな」

アリアン   「賢者さん。止めちゃダメなんですか?」

GM      「駄目です」

アリアン   「あの鎧は危険なものだと思うんですけど」

GM      「だとしても、それはしきたりに従って止める訳にはいかないのです」

アリアン   「しきたりって、シェルフェンさんの尊厳以上に大事なんですか?」

GM      「そういうことになっている」まあ、それに君達が止めようとしても、歴史に反するからできないのだよ。行ってみようとしても、どうにも進めない。

アリアン   ではジタバタしている。

GM      そうやって見ていると、シェルフェンの剣がついにロヴレンドの心臓を貫く。シェルフェンは剣を握った手から心臓が動きを止めたのを確認すると、やっと構えをとく。こうして三日三晩に及んだ戦いは終わった。

デイヴィッド ロヴレンド倒したならもういいでしょうと、傷の手当をしようと近寄る。

GM      そうするとシェルフェンは、横なぎに払われたロヴレンドの尻尾から衝撃をうけて吹き飛ばされる。

デイヴィッド 「馬鹿な!何故生きているんだー!」

GM      シェルフェンもそんな表情をしているよ。たしかに、君達にも心臓を貫いたようには見えた。

ラギス     心臓が3つも4つもある?

GM      そう、あったのだよ。そして、ロヴレンドは腹部から鮮血を撒き散らしながら、口から業火を撒き散らす。そして飛び上がりながら、恨みや憤怒の瞳でシェルフェンを睨み付ける。「貴様は決して許さん!我のあり続ける限り、貴様に安息が訪れる事は無いと思え!」と呪いの言葉を吐きながら、北方へと飛び去っていく。

デイヴィッド まあ、とにもかくにもシェルフェンに手当てを。

GM      シェルフェンは以外に大丈夫っぽく。「ハハハハハッ!」と笑っているよ。目は明らかにいっちゃってるけど。

ラギス     「おい、しっかりしろ!」

アリアン   「大丈夫ですか?」

GM      「竜の心臓を刺し貫いてやったぞ!俺の力を認めさせてやったぞ!」

デイヴィッド 「もういいから、休んでください!」

GM      シェルフェンはケタケタ笑っている。

アリアン   「シェルフェンさん。もう戦いは終わったんですよ!」

ラギス     「ああ、お前の勝利だ」

GM      「そうだそうだ。俺は勝った!勝ったんだ!」

 

シーン22

 

GM      では君達と賢者に囲まれて、シェルフェンは足取り軽く帰ってくる。そして首長に報告するわけだ。しかし、持ち帰れたのは牙のみであったので、結果的には失敗扱いされる。理論的には首ぐらい持ってこないと倒したという証にはならないということで。誰もロヴレンドを倒した事を信じる者はない。

アリアン   信じてくれないの?

GM      信じてくれないというよりは、賢者の報告では重症を与えたけどロヴレンドは逃げたということなので、嘘ではないとは思っているが飛んで逃げられたのでは、死んでないと扱われる。

アリアン   一応食い下がってはみるよ。「殺すではなく、倒すだったはずです」

ラギス     「確かにあのとき、剣は心臓を貫いていた」と報告はする。

GM      それは報告は報告として受け取るし、賢者も「相違ない」とは言うよ。首長は「そうかそうか、それはよくやったなシェルフェン」とは言うよ。「ただ、これは首を持って帰ってきての成功なのでな」と。もちろん、これについてはシェルフェンは不服で、「何だと!」となるよ。

デイヴィッド 私もなんとかしたいから、「いやいや、お待ちください!あれは退けたといってしかるべき行為でありますぞ」とかなんとか頑張っては見るけども。

GM      うん。皆頑張ってはみても残念なことにどうにもならない。そしてシェルフェンはあまりにも激昂して、「俺はアイツを確実に殺した!誰も認めないというならば、首長に決闘を申し込む」

デイヴィッド 「それはいけません!それはいけませんぞ!」

ラギス     「待て、早まるな!」

アリアン   「怒りに身をまかせちゃ駄目です!」

GM      「俺の力を認めないんなら、首長。お前を倒して認めさせてやる!俺が確かに竜の心臓を潰してやったことを。賢者もみていたはずだ!そんな中途半端な賞賛なんていらねぇんだよ!誰も俺の力を認めようとしないっていうならば

デイヴィッド では私はシェルフェンを必死で引きとめようとして、「待ちなさい、待ちなさいってウワー」って木を2〜3本倒しながら吹っ飛ばされる()

GM      あれ、意外となんか強いよ()。「誰も認めようとしないっていうならば、親父いや王。俺と勝負しろ!俺の力を見せてやる!」そして、そこまできっぱりと決闘を申し込まれてしまったら、オウガの首長たるもの断るわけにもいかず、「いいだろう、受けてたとう」と決闘を受けてしまう。そしてそのまま決闘が始まる。シェルフェンも鎧の助力もあって、結構頑張る。とはいっても、さすがに最強の戦士であり王でもあるし、力帯の力もある首長かなうわけもない。しかし、シェルフェンは切れてしまっているので引くわけもない。そして、遂には首長の手によって打ち所が悪かったのか、命を絶たれることになってしまう。

アリアン   死んだ!

GM      しぼーん。キャンペーン終了!()

デイヴィッド いやいやいや()

アリアン   おかしい、GMの陰謀だ!()

 

シーン23

 

GM      じゃあ、次のマスターシーンはじめるよ。決闘とはいえ、己の息子を手にかけたことを悔やみ落ち込んでいる首長。だけど、すぐにそんな表情も失せ、高笑いをあげ始める。

アリアン   え?

デイヴィッド は?「首長、気を確かに!」

GM      これが力!最強の力を手に入れたぞ!俺こそオウガの王だ!」

アリアン   ちょっとまって、前としゃべり方違う。

GM      そうだね、もうちょっと威厳があったはずだ。

アリアン   シェルフェン君?

GM      うん、確かに話し方とかも一緒だし、高笑いもロヴレンド倒したときのと一緒だよ。

ラギス     「どうした?」

GM      首長が巻いていた力帯が炎を吹き上げ始め、その体を包み込む。そして力帯を投げ捨て、シェルフェンの死体から鎧を引っぺがして、身に着ける。そしては言うよ。「俺はシェルフェン。新たなるオウガの王だ!俺を倒せると思うならかかってこい!」と宣言する。明らかに異常な事態なので、それを察した里の戦士達は、次々とシェルフェンに立ち向かっていく。

デイヴィッド 「長をとめろー!ワー!」

GM      「シェルフェンだー!ワー」バキバキバキ!ドーン!クレーターみたいな()。君達にはあきらかにシェルフェンだと思われるのだけど、里の戦士達との戦いを見る限り、どうも王の戦い方を模している感じ。もちろん、シェルフェンの戦い方も混じってはいるのだけど。そして、多くの戦士達が打ち倒される。そして、概ね名のある戦士達が倒されたところで、「フン。後は倒すまでもない者どもか。一日だけ時間をやろう。俺に仕えたいと思うものは残れ。さもなくば去れ。次に俺が戻ってくるとき、この地は俺のものだ!」と紋章の正位置を使うよ。そして、これによって君達の役も介入できなくなる。そして、シェルフェンは山奥に一度姿を消すわけです。そしてその後を追って、フログデインもひゃっほいしながら追いかけていくわけですね。

アリアン   かえるー!かえるを絞めなきゃ!()

ラギス     すごい諸悪の根源だな()

 


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